新緑の中、お弁当持ってどこに行こう?

新緑の中、お弁当持ってどこに行こう?
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過ごしやすい季節になりました。爽やかな新緑の中、美味しいお弁当をお供に車や電車で出かけませんか?岡山定番の駅弁や人気のお弁当などを紹介します。

掲載日:2023年04月28日

ライター:観光ライター 頼實

“発酵”テーマのお弁当で元気をチャージ

岡山大学病院近くの人気ランチ店「カモスカゴハン」のテーマは「醸す力=カモスカ」。
月替わりのランチメニューと同じ内容の弁当(1296円)を食べることができます(要予約、スープは付きません)。この日は、豆腐と麹のタルタルソースが付いたチキン南蛮がメイン。わっぱ弁当にギュウギュウに詰まった見た目にも美しいお弁当をいただきました。

味噌、塩麹、甘麹、サワークリームなどは、全て店主の自家製。
例えば、タルタルソースにはマヨネーズを使用しません。水切りした豆腐をベースに白味噌やサワークリーム、塩麹などで味付けし、あっさりしながらもコクのある風味に驚かされます。
そのほか、ほうれん草ジェノベーゼ風切り干し大根、ラズベリー甘麹ドレッシングのキャロットラペといったラインアップです。

店主の中村慎司さんがメニュー作りで大切にしているのは、玄米✖️豆✖️発酵。「どうせ食べるなら体に良いものをという思いで作っています。発酵食品は酵素や食物繊維が豊富なので、消化を助けてくれます。野菜と一緒にいっぱい食べてほしいです」と中村さん。

カモスカゴハンの名物「麹納豆」は、米麹と納豆、ゴマ、昆布などを和えたもの。玄米&もち麦のご飯と麹納豆を一緒に食べると、絶妙な美味しさ。お弁当にも必ず「麹納豆」が付くのも嬉しいですね。
「麹納豆」(120g400円)だけのテイクアウトも可。

パカッと“桃”を開けると「祭ずし」

ローカル線など電車に揺られるのんびり旅もいいですね。
岡山の駅弁と言えば、三好野本店の「桃太郎の祭ずし」(1000円)。
かわいい桃の容器を開けると、色とりどりの具材が乗ったちらしずしに心躍ります。敷きつけめられた錦糸卵の上に、有頭エビ煮、ママカリ酢漬け、焼きアナゴ、タコ酢漬け、タケノコなど全12種類。金色の桃に入った「桃太郎の祭ずし特選」(2000円)は、岡山の朝日米を使用したちらしずしで、具材も、マナガツオの塩焼きやホタテ、穴子、黒豆など異なります。

明治24年、岡山駅の開業と同時に駅弁事業を始めた「三好野本店」。当時、陸蒸汽(おかじょうき)で旅する人たち向けに、竹の皮に包んだ握り飯を販売したのが始まりだそう。
岡山で昔からお祭りで食べられていたばら寿司を駅弁に取り入れた「祭ずし」の登場は1963年。
特徴は、見栄えを重視して、具材を“見せる”点。蓋を開けた時に思わず笑顔になりますね。
ECサイトから注文すれば、冷凍駅弁や冷凍弁当を注文することもできます。

東京駅や新大阪駅でも販売の人気キャラ弁

三好野本店の直営店はJR岡山駅構内にあり、ひっきりなしに駅利用者が購入していきます。
ちらしずしや幕内弁当など、種類はざっと20〜30種類。季節ごとに、ホタテや穴子がメインとなったちらし寿司も登場します。
5月10日までは、「駅弁の日」キャンペーンの一環で「えびめしとたこ飯のおにぎり弁当」(780円)も販売中です。全国の26社が参加するこのキャンペーンは、趣向を凝らした各地のおにぎり弁当が魅力。お弁当に1枚入っている「駅弁カード」もゲットしてください。

子どもたちに大人気なのが、「ドクターイエロー✖️ぐでたま」(1380円)や「ダークシンカリオン」(1380円)、「500系ハローキティ新幹線弁当」(1380円)などのキャラクター弁当で、全部で9種類あります(直営店で購入する場合は、2、3日前に要予約)。
「このキャラクター弁当は非常に人気で、『ケースだけ欲しい』という方もいるほどなんです」と話すのは、みよしの売店の店長・木村純一さん。
三好野本店のキャラクター弁当は、東京駅や新大阪駅などでも販売されています。岡山で製造されたキャラクター弁当が、東京や大阪でも子どもたちから支持されているのは嬉しいことですね。

岡山のソウルフード「えびめし」弁当

岡山と言えば「えびめし」。香ばしいコクのあるソースとプリプリのエビが入ったえびめしは、何度でも食べたくなる味です。
岡山における元祖・えびめし店の味を継ぐ「えびめしや万成店」の「えびめしセット」(1100円)をテイクアウトしてみました。「えびめしセット」は全部で6種類。その中から「カニクリームコロッケセット」をチョイスしました。
タルタルソースのかかったクリーミーなコロッケとえびめしは、ボリューム満点。人気のコールスローとサラダも付きます。

「えびめしや」の前身である「いんでいら」は、かつて奉還町にあった洋食店です。
東京・渋谷のカレー店で修行した創業者が、さまざまなメニューとともにえびめしのレシピも習得、岡山に持ち帰ったのが始まり。
その黒色の見た目がウケて、岡山と言えば、えびめしと言われるほどになりました。
黒色の秘密は、カレー粉など数種類のスパイスとともに使用する無糖カラメル。香ばしさだけでなく、甘み、辛み、酸味などの複雑な味わいが魅力です。味の肝となるソースは、今でも限られた人しかレシピを知らないという門外不出の味だそう。

えびめしだけをしっかり堪能したい場合は、ボリュームある「えびめし」(880円)、と「オムえびめし」(1150円)を(コールスロー付き)。テイクアウトの注文は予約がオススメです(当日も可)。
万成店は、岡山インターからのアクセスが良いため、県外からのお客さんも多いそうです。

「わざわざコールスローだけをテイクアウトするお客さんもおられますよ」と店長の津村優樹さんが話すほど、コールスローも人気メニューの一つ。
千切りよりもやや太いキャベツと玉ねぎ、ニンジンがたっぷり入って、マヨネーズや酢、砂糖などのドレッシングとしっかりと和えてあります。「特別な調味料は入っていない家庭的なシンプルな味付けです」と津村さん。

天むすメインのかわいいお弁当

駅弁からもう一つ。河本食品のおむすび弁当「おむすびころりん」(1188円)です。
建部町で創業44年の河本食品の「おむすびころりん」は約35年前、創業者夫妻が考案したお弁当で、同店のロングセラーの一つです。
赤い包装を開けると、2段重ねのお弁当箱になっています。

1段目には、エビ、イカ、ししとうの3種類の天むすが5個。ちょこんと入っている様が愛らしく、変わり種のししとうが良いアクセントになっています。
2段目のおかずは、鶏肉の照り焼き風や鰆塩焼き、根菜揚げ、卵焼きなど、家庭の「おふくろの味」が嬉しいですね。
ちょっと特別感のある紅あずまの蜜煮はほっこりとした美味しさでした。車窓からの眺めを楽しみながら、可愛らしいお弁当を開ける瞬間のワクワク感が感じられます。

岡山市公式観光情報 OKAYAMA KANKO.net